モーリス・ベジャール
時間が経つと忘れられていく時代の空気。
1980年代だったら、私の場合ベジャールです。
バレエの革命があったんです。
バレエの男って言ったら白いタイツの王子。
いったいどこがカッコイイのか?
股間が目立ってしょうがないし、弱そうなイメージ。
当時の日本男子は足が短かった。
そんな貧弱なイメージの日本のバレエ界を
変えてしまった振付家。
それがモーリス・ベジャールだ。
やはり、クロード・ルルーシュ監督の
「愛と哀しみのボレロ」が大きい。
私は中学生だったけど、この映画を8回は観たよ。
ボレロを踊っていたジョルジュ・ドン。
白いタイツの王子とは対極の野獣のようで
カッコイイな〜と感じたのは時代の空気もあった。
男を美しいと感じたのは、ブルース・リー以来で、
1980年代から『美しい男』という感覚はあたりまえ
になっていったように思う。
井上洋介さん
年が明けましたね。
年賀状を出す人は減少しているようですが、私は出しますね。
まあ、迷惑なら申し訳ないのですが。
あ、でも私は来た人にしか出してない。元日に慌てて返事を書く。
後出しです。単純に手紙として使用しています。
いばれる事ではない。
今回の干支はイノシシ。
ボールペンと色鉛筆でカリカリゴシゴシ。
去年末に見た井上洋介さんの絵の「うぶめ」という絵本に
影響されています。
京極夏彦さんの文です。
はっきり言って怖く悲しい世界です。
しかし居心地が良いというか、
深い安らぎのような感じがあります。
井上さんの絵はふっくらして、なんかダボダボしている。
色なんか不気味なんだけれど、泥みたいで柔らかい。
そうやって見ているうちに私も描きたくなる。
たぶん、そんな引っかかりがある絵なんです。
そういう絵はあまり商品には向いてないのかも
しれませんが、やっぱり力がある。
いいんです。
というわけで、みんなに違う絵を描きました。
代表して以前、井上さんの担当をしていた編集の方に
送った絵を載せておきます。
思いがけないひとこと
こんにちは。もう12月ですねぇ。
私は半年ほど求職支援の職業訓練校に通ってました。
選んだのはグラフィックデザインのコースなんですが・・・。
小学生から今までアナログ派でやってきた私ですから、かなり冷や汗をかき、
かつ、立ち往生の放心状態ですわ。時代の流れは私を置いてずっと先に行って
しまったことに、ようやく気がついたイカダに乗った私。ポツン。
イラレだフォトショだHTMLだCSSだと盛りだくさんの情報を理解して消化することははなはだ困難であり、「さよか、今はそんな時代か」とタイムマシンに乗って明治時代から訪問したかのごとくの他人事の気分でした。
そして、ひょんなことから、現場でWebサイト広告のアルバイトのチャンスに恵まれました。アナログからいきなりWebですぜ。高山病になりそうでした。
当然、一夜漬けの頭と技術では対応できません。2日でクビになりました。
ゴーン。(鐘の音)
時代とは何ですかねぇ。東京のほんの小さな現実から今の時代を語るなんてことはできませんが、10年後に振り返ってみるとまた次の何かが現れているのでしょうね。そしてその流れに乗れない奴も少数いるのでしょう。ヒュー。
そんな後ろ向きな私が電車の中で見かけた欧米の方をスケッチしていたら、
「うまい!」という声が聞こえました。隣でスマフォゲームをしていた女性
が私のクロッキー帳を見ていたのです。「ね、うまいよね?」と連れの女性
にも話しかけます。恥ずかしいですが、せっかくですので私はクロッキー帳
を見やすいように差し出しました。「このペンで描いてるんですか?」
と質問されたので「サインペンです。消せません」と答えました。
するとまた「すごい!うまい」というお言葉。恐縮です。顔が赤くなります。
だいたい電車内のスケッチは描く対象人物を一瞬で描くようにしています。ジロジロ見ると失礼になりますからね。しかし、そんな私が見られていたことに気がつきませんでした。
うまくはないでしょうが、なんだか元気が出たような気がいたしました。
「ゆびぬき小路の秘密」を読んで
時間旅行の物語が好きです。
で、小風さちさんの「ゆびぬき小路の秘密」です。
舞台はイギリスのサウスウッドという町。
仕立て屋のおばあさんが作るコートが、着心地が良いのです。
袖を通すと腕を吸い込むようにするりと着れてしまう。
着た時に何かやわらかいものに、ふわりと包まれたような感じに
なるというのです。
ほかにも、石畳を歩くときの足の裏の感じが描写されているのですが、
体の感触が読んでいて伝わってくるのが良いなと思いました。
そして、仕立て屋のおばあさんが、
「大切なものほど、手放さなければならないんだよ、バートラム」
と、着心地の良い服を仕立てる秘密を教えてくれます。
そこに時代を超える真実が書かれているように感じました。
絵は小野かおるさん。
白黒の線画ですが、状況の説明だけではなく、読者の参加を求める
絵です。人物たちの目がボタンのようで、瞳が描かれていません。
表情を細かく描かないことで、物語の挿し絵としてのバランスが良い
のだと思います。この絵を助けとして読者は自由に想像することができます。
下の私の絵は、靴が面白くて描きました。どこのメーカーか知りませんが、
編み込んであるヒモが黄色だった。
ひとり暮らし ひとり踊り
4月から新生活でひとり暮らし。
というのに憧れましたが、私は経験していないです。
どんなもんですかね?
やはり心細いものでしょうか?
10代の頃、バレエを習っていて、とても孤独でした。
たくさんの女の子の中で、たったひとり男なんです。
わからないことがあっても気軽に話しかけられない。
踊る時は、女の子たちは4、5人でいくつかの
グループになって踊りますが、私は一人です。
誰も頼れません。振り付けを覚えてなければそこで終わり。
かなり厳しい状況ですが、教師の目は
私ひとりに注がれるので上達は早かったかもしれません。
そこで音楽の波に乗るコツを身につけたと思います。
ひとり暮らしも、何かを身につけるチャンスかもしれませんね。
何を見つめているのか?
身近なものをスケッチすることが
多いです。この猫は近所で保護したときは
手のひらに収まる大きさでした。
茶トラは大きくなるといいますが、いつの間にか
成長して、けたたましい声で起こしてくれます。
窓の外にカラスがいて、じっと見つめている姿です。