tabitamiの日記

日々を生きていくことが旅だ。たくさんの人=たみ。旅する民をラクガキスタイルで表現する。

恋愛ごっこ

小学生だった頃からずいぶん時間がたった。あの頃は素直に自分が出ていたと思う。

今の小学生は昔と違うのかもしれないが、少なくとも僕の場合はとても幼かった。

 

この話は僕の欠点がはっきりと現れているように思うので恥ずかしい。

今もあまり変わらないからだ。

僕も年をとって、ワシも若い頃はのぅ〜ってくらいの距離がとれてきたので書いておく。

 

僕に告白をしてきた女の子のことだ。

この事件は小学6年のことだった。

僕は4月生まれのせいか少し大人びているように見えたらしい。

ピアノやギターを習っていてちょっとませたお坊ちゃんに見えたのだろう。

 

ある女の子が僕に好意を持ってるという噂がたった。

そこから僕はクラスのからかいのマトになってしまった。

その女の子は色が白くて静かでピアノが上手くて勉強もできた。仮に白さんと呼ぼう。

白さんは何しろ優等生だった。僕はといえばただの漫画好きのガキだ。

たまたま成長が早かったのでリレーの選手に選ばれたり、親の関係で広告に出たりして少し目立っていた。そのあたりから白さんの誤解が生まれていたのかと思う。

決定的な事件があった。

まだその頃新しかったバレンタインデーだ。

その日の学校からの帰り道に白さんが友達と追いかけてきてチョコを僕に渡した。

お菓子は好きだからラッキーと思って黙って受けとった。

白さんは何も言わずクルリと背を向けて友達と今きた道をかけ足で去った。

その後からが大変。

クラスのみんなは面白がり白さんと僕を学級委員に選んだ。

教室の机は隣同士、学校行事の遠足でもバスの席は隣同士。

僕は緊張して石のように固まるだけだ。

だいたい白さんは僕の隣で何が楽しいのか、まともに会話することはなかった。

そもそも白さんは声が小さくおとなしい。

結局どうしたらいいのかわからないまま卒業したのだ。

白さんは僕と違う中学へ行ったので、これでそのバカ騒ぎは終わった。

今にして思えば、チョコをもらった時にしっかり返事をするべきだったのだ。

まったくガキだった僕は鈍感だった。

それにずるかった。女の子に好意を持たれて嬉しかったのだろう。

「ごめん!好きな子がいるから!」とでも言えばその場はツライが白さんにとってもスッキリとした思い出になったはずだ。それを黙ってるもんだから相手はどのようにも受け取れてしまう。今になってごめんなさーいと思う。

 

僕の好きな女の子は白さんとは違うタイプのもっと話しやすい女の子だった。

話もしてないのに好きになったりなんかしないさ。

しかし、そんな秘密は誰にも言えない。一人モンモンと悩む小学生。

 

はっきりと言うべきことは言わないとね、たとえ小学生でも。

だけど、あの頃そんなことみんなどこで勉強したのだろう?

女の子たちはなんでもよく知っていた。大人だったのだろう。

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二人は恋人