tabitamiの日記

日々を生きていくことが旅だ。たくさんの人=たみ。旅する民をラクガキスタイルで表現する。

微生物が歌う

春がずんずん近づいてきている。

僕は得体の知れない不安に包まれて汗ばむ。

 

どんな人でも春が来れば脱皮するのだ。

以前の自分を捨てて、新しい自分になろう。

絵空ごとを言ってやがると思いつつも

鏡の中の自分を見て驚く。

 

ほら、やっぱりどこか違う。もう昔の自分じゃない。

慌ててパソコンを開くと

以前のパスワードを忘れている。

仕事のやり方も覚えていない。

何回も失敗をして舌打ちした。

そしてブツブツひとりごと。

たくさんの不満、文句が口からガスのようにぶすぶす吹き出た。

だってこの状況‥そもそも無茶な‥だいたい今の世の中は‥。

それらは、バクテリアのエネルギーにでも使いたまえ。

土中の微生物たちの合唱がして、そうね、そうしましょうと納得する。

 

春には引っ越して別の次元へ行くのです。

飛行物体のスピーカーから放送が流れ、僕はタラップを踏む。

 

あふれる知識と豊かな経験を携え、

もうスマートフォンの買い替えや老後の生活に悩むこともない。

すべては懐かしい思い出。

今までのことが遠ざかる。

あれ、僕は今どこにいる?

バナナの皮が目の前に横たわっている。

黄色い色。

春の証拠だ。

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桃の花やタンポポ

 

私の色

25才の頃、劇団の研修生をしていた。

やっぱり舞台に立ってみたかったんだなぁ。

バレエを習ってた経験を生かせないか考えてのチャレンジだった。

芝居の世界はバレエとちがって、厳格な規則はないだろうと思った。

どんな体でもどんな顔でも誰でもできるはずだ。

たしかに何でもありだ。

だけど舞台に出て輝くってことは、かなり厳しいことだ。

ある日、授業で笑うことになった。

泣く、怒る、笑う、の中で笑うことが一番難しいことと思う。

別に面白いこともないのに笑うのだ。

さあ、笑って!と言われた40人ばかりの研修生が皆、順番に前に出て笑う。

ゲラゲラ笑う人、走り回って狂ったように笑う人、

見ている人をバカにしたように笑う人

それなりにつつがなく課題をこなしていくのを見ていて、

こりゃ、僕には無理だ。と悟った。

ふだんから笑っている人はすんなりできるだろう。

僕はブツブツひとりごとを言ってニヤッとするような奴だった。

笑えない。舞台向きの大きな表現ができない。

でもでも、どこか抜け道があるはずだ。

どんどん順番が回ってくる中で必死に考えた。

今の気持ちから出発するしかない。

この悲しいような腹の立つような状況。

順番がきて僕は前に出た。

悲しいような怒ったような表情のまま。

すると、見ていた研修生たちからプッと笑う声が漏れた。

え?おかしいのか僕は?

じゃ、みんなの笑いに乗っちゃえ。

いきなり緊張がとけた僕から小さな笑いが生まれた。

みんなのようにはできないが小さな笑いが次の笑いの波を呼び

不思議な間をはさんでさざなみのように笑えた。

 

役者にはなれなかった今、

それでも試練を乗り越えて見せたことが

僕の宝だ。

生まれながらに人に色があるならば

自分の色を出してみよう。

人とはちがう自分の色がたくさんの人の色と

混ざっていく。

 

 

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母と子

 

 

もっと自分を信じて

どうせね、計画なんかしても、そのとおりにいかないしさ。

もう余計なこと考えるのやめたんだ。

ある日、僕は大きな失敗をした。

それまで自分はごく少数の選ばれた人間なのだと思い込んでいたのだ。

才能のない奴が受験して会社で働けばいいのさ、と思い上がっていた。

もちろん、のぼせた思いはあっさり砕かれた。

それは僕の場合、バレエという厳格な様式美への挑戦だったから、

答えははっきりしていた。バレエは誰でも歓迎してはくれない。

 

コンクールへ参加して2回とも予選落ち。

なんだ、僕は選ばれなかった多くの人じゃないか。

そんなことも知らないで調子にのっていたのだ。

あっけない結果にただ立ちつくしていた。

きっと誰かにぎゅっと抱きしめてもらえば良かったが、

何にも感じていないような顔をして強がっていた。

 

ま、そんな経験があって今の自分ですよ。

何かに失敗しても、また別の夢をコツコツ現実にすればいい。

思えばあっという間の人生だったねって後で思うのに違いないです。

なんてたって我々は広い宇宙の小さな星の上で暮らしている

小さな小さな生命だってことを忘れないでいたい。

 

 

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星をかかげて

 

 

 

 

荒削りなのだ!

何か手を使って作るのが好きなんだな。

でも、他人はそんな僕を見て誤解する。

この人は器用で、クオリティの高い仕事ができるようだと。

繊細できちんとした人だと。

ちがうちがう。

僕は今だに小学生のレベルで工作をしているだけなんだ。

作業そのものを味わって楽しみたいんだ。

完成度なんてどうでもいい。

そして、その事実があらわになると人は笑う。

仕事が雑だと。使えない奴だと。

勝手に思い込み、勝手にがっかりしている。

僕は見かけよりも子どもで、思いついたままに動いているだけなんだ。

 

♪人間、荒削りのほうが損をする、すべすべしていたほうが良い。

でもそれじゃこの世の中ぜんぜんよくならない♪

と、岡真史が書いていた。今になってこの単純な言葉が身にしみている。

そして、

大竹伸朗さんのコラージュにあこがれた。

今も自分にはその気持ちが残っている。

あのしっかりとした手は握手したら柔らかだった。

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チョコパッケージの切り絵

 

 

 

 

 

 

夜の気持ち

疲れてしまった時は早く眠るに限る。

そうした日々が続いていくと、疲れるのも早く眠ることにも慣れていく。

ある日ハッとする。つまりこうして僕は流されているのだ。

時を刻むことを忘れているぞ。

僕は僕の気持ちを外に出さなければ、死んだように生きているだけだ。

何かやらなきゃ!

という思いにかられるわけだ。

キッチンの引き出しから、スプーンを取り出し見つめる。

超能力で曲げられたら面白いんだが、そんな能力はない。

だから観察してダンボールに割り箸でアクリル絵の具をこすりつける。

その夜はそんな気分だった。

絵は思ったようにはならなかった。いつも期待ばかりが大きいようだ。

選んだ絵の具の色は酒井駒子さんみたいなのになあ。

急に思い出す会話。

「僕はどうしても色使いが薄くなってしまうんだ。色ってその人の業だよね。」

「業だね」って彼女も同意してくれた。

あれ?でも業ってどういう意味でつかっていたのかなぁ。

使い方が間違ってるような気がする。

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スプーンとナイフ

 

 

 

丸い星でトコトコ歩く

長新太さんの漫画「怪人ジャガイモ男」を読んでいた。

「ポテト!」と叫び、すべてをポテトチップス化してしまうジャガイモ男。日本列島を北から征服しようとするジャガイモ男を阻止しようとする私。のんびりとしかし急展開する話です。

何しろ絵がアブストラクト。子どもの描くような抽象画のようでもあり、またはパウル・クレーの線画のようでもある。思うに長さんは絵本のタネを漫画で育てていたのではないだろうか?

しばらく読んでいたら眠くなって、でも寝てはいけないと、体はコタツを前にして四つん這いのまま寝てしまった。この漫画の魔力かもしれない。

初めての体験です。

さて僕は最近、通勤の時に最寄りの駅まで自転車に乗っていたのをやめ歩くことにしました。

だいたい13分くらいの距離。帰りに見る星空を楽しみにしています。

つくづく不思議に思うことが、地球が丸いということだ。

歩いていて、地球の丸さを感じることはない。地球は本当に丸いのだろうか?

これが海辺だったり、地平線が見渡せる景色であれば少しは地球の丸さがわかるのかもしれない。でも僕が歩いているのは平坦な住宅地だ。仮に身長が160mあったらまた見える景色も違うだろうが。

 

地球が丸いと発見した人はすごいもんだ。

どう考えても丸いなんて発想は自分の頭からは生まれない。

こんな自分にも地球の丸さを体験できる方法はないかとトコトコ歩いている。

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海辺を散歩

 

マンガは夢だ

あけましておめでとうございます。

2021年になりましたね。

 

いろいろ大変なことがあっても時は流れております。

年賀状の返事はゆっくり描くとして、急に漫画を描きたくなりました。

まあ、僕のマンガってこんな感じなんですが。↓

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目玉がタイヤに!

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渋滞がチョコ


今、売ってるチョコって、こういうブロック型のではないのかなぁ?

でも、この形が好きなんです。

駐車した車などはチョコ化すると楽しい。

#サヴィニャック #4コママンガ